リサイクルトナーを使用できればコストパフォーマンスにより優れた印刷環境を手に入れられるものの、どうしても品質面で不安を覚えてしまいます。それは多くの人が同じであり、それらの不安を払拭しようといくつかの品質管理基準が設けられています。その代表格がSTMCです。この規格はリサイクルトナー先進国であるアメリカにて誕生したものであり、今日ではリサイクルトナーの世界基準の検査基準となっています。リサイクルトナーだけに特化したのが特徴的であり、カートリッジの分解や清掃、トナーの充填や印字テストなどの検査項目が設けられています。STMCは製品ごとでなく、工場単位で行われているものなので安定した品質基準と目安となります。
STMCというアメリカ発のリサイクルトナーについての世界基準がありますが、これとは別に日本独自の基準も存在します。そのひとつがE&Qという日本カートリッジリサイクル工業会が制定した基準です。この基準の特徴としてまず挙げられるのが、厳格かつ具体的な基準を設けている点です。“純正品実印刷枚数に対し90%以上としなければならない”、“再資源化率が回収した使用済み製品全体質量の95%以上としなければならない”などといった項目が定められているため、E&Qの基準を満たして製造されたリサイクルトナーの品質はとても高く、安定したものとなります。同基準の有無は、梱包箱にマークラベルがあるので簡単にわかります。
リサイクルトナーを使用すると、どれほどのコストメリットを得られるかといえば、なんとトナー料金が純正トナーを購入する3割ほどで済むようになるのですから、かなりのメリットを享受できます。しかし、モノによっては思ったような色が出なかったり、トナーが動かなかったりなどのリスクもあるので、事前にしっかりトナーについての情報収集を行って製品選びをする必要があります。リサイクルトナーを選ぶ際の目安として、STMC認定工場であるかどうか、保証がしっかりしているか、販売実績が豊富であるか、などをチェックポイントとしておくといいでしょう。自分で詰め替えられるリサイクルトナーもありますが、それらは避けたほうが無難です。